サーマルリレーは、バイメタルとヒートエレメントで構成された継電器です。熱によって動作するため「熱動継電器」とも呼ばれています。
モータ等に電源を供給する場合、モータは「配線用遮断器」と 電磁開閉器のサーマルリレーと組み合わせるのが普通です。
バイメタルの温度上昇による特性を利用した、熱動形の保 護継電器です。
電磁接触器と組み合わせて電磁開閉器としてモータの過負荷. 欠相を防止します。
また、単独取付けで、過電流継電器としも使えます。 3ヒートエレメント付 サーマルリレーや欠相保護付(2E)もあります。通常の使用では2Eサーマルリレーとして使う方が多いです。保護の目的に 応じて3Eを使います。
サーマル値の決め方
★AC200V 0.1kwモータでは、概略で0.4Aあたりの電流が流れます。
その為TH4では、0.23~0.42Aのサーマル値を選択します。
★AC200V 0.2kwモータでは、概略で0.8Aならば
サーマル値は0.95~1.45Aとなります。
MS4:電磁接触器
TH4:サーマル
MS4とTH4が組合した機器を電磁接触器と言います。
●200-220V回路の場合
容量〔kW〕 | 全負荷電流〔A〕 | 電磁開閉器 | サーマルリレー形式 | ヒートエレメント定格〔A〕 |
0.2 | 1.3 | SW-03,0,05 | TR-0N | 0.95~1.45(0.95) |
0.4 | 2.3 | SW-03,0,05 | TR-0N | 1.7~2.6(1.7) |
0.75 | 3.6 | SW-03,0,05 | TR-0N | 2.8~4.2(2.8) |
1.5 | 6.1 | SW-03,0,05 | TR-0N | 5~8(5) |
2.2 | 9.2 | SW-03,0,05 | TR-0N | 7~11(7) |
3.7 | 15 | SW-4-0,4-1,5-1 | TR-5-1N | 12~18(12) |
5.5 | 22.5 | SW-N1 | TR-2N | 18~26(18) |
7.5 | 29 | SW-N2 | TR-2N | 24~36(24) |
11 | 42 | SW-N2S | TR-3N | 34~50(34) |
15 | 55 | SW-N3 | TR-3N | 45~65(45) |
18.5 | 67 | SW-N4 | TR-5N | 53~80(53) |
22 | 78 | SW-N5 | TR-5N | 65~95(65) |
30 | 107 | SW-N6 | TR-6N | 85~125(85) |
37 | 130 | SW-N7 | TR-7N | 110~160(110) |
45 | 156 | SW-N8 | TR-8N | 125~180(125) |
55 | 190 | SW-N10 | TR-10N | 160~240(160) |
75 | 260 | SW-N11 | TR-12N | 200~300(200) |
90 | 310 | SW-N12 | TR-12N | 240~360(240) |
110 | 376 | SW-N13 | TR-12N | 300~450(300) |
●400-440V回路の場合
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容量〔kW〕 | 全負荷電流〔A〕 | 電磁開閉器 | サーマルリレー形式 | ヒートエレメント定格〔A〕 |
0.2 | 0.65 | SW-03,0,05 | TR-0N | 0.48~0.72(0.48) |
0.4 | 1.15 | SW-03,0,05 | TR-0N | 0.8~1.2(0.8) |
0.75 | 1.8 | SW-03,0,05 | TR-0N | 1.4~2.2(1.4) |
1.5 | 3.1 | SW-03,0,05 | TR-0N | 2.8~4.2(2.8) |
2.2 | 4.6 | SW-03,0,05 | TR-0N | 4~6(4) |
3.7 | 7.5 | SW-0,05 | TR-0N | 6~9(6) |
5.5 | 11.5 | SW-4-0,4-1,5-1 | TR-5-1N | 9~13(9) |
7.5 | 14.5 | SW-4-1,5-1 | TR-5-1N | 12~18(12) |
11 | 21 | SW-N1 | TR-2N | 18~26(18) |
15 | 27.5 | SW-N2 | TR-2N | 24~36(24) |
18.5 | 34 | SW-N2S | TR-3N | 28~40(28) |
22 | 39 | SW-N2S | TR-3N | 34~50(34) |
30 | 54 | SW-N3 | TR-3N | 45~65(45) |
37 | 65 | SW-N4 | TR-5N | 53~80(53) |
45 | 78 | SW-N5 | TR-5N | 65~95(65) |
55 | 95 | SW-N6 | TR-6N | 85~125(85) |
75 | 130 | SW-N7 | TR-7N | 110~160(110) |
90 | 155 | SW-N8 | TR-8N | 125~185(125) |
110 | 188 | SW-N10 | TR-10N | 160~240(160) |
132 | 224 | SW-N11 | TR-12N | 200~300(200) |
●サーマルリレーの取扱い
図2
(1)電流整定のしかた【図1】
調整ダイヤルを回して目盛りの範囲内で, モータの全負荷電流を▼マークに
合わせてください。目盛りの範囲外で使用した場合, 性能を満足できません。
また,ご使用になるモータの種類により,始動時にサーマルリレーが不要動
作する場合は,ダイヤル目盛の整定電流値を5%以内を目安に上げてくださ
い。過度に上げると,適切にモータ保護ができませんのでご注意願います。
(2)動作表示【図1】
サーマルリレーが動作した場合は, 動作表示窓の白いトリップ表示が隠れます。
(自動リセット状態でトリップした場合は動作しても白い表示は隠れません)
(3)シーケンスチェック【図1】
白いトリップ表示を矢印方向へ押すとシーケンスチェックができます。
(4)リセット方法【図1】
サーマルリレーが動作したときは, 過負荷などの異常原因を除去してからリ
セット棒を押してください。リセット棒は最後まで押してください。
(この場合, サーマルリレーが十分冷えていないとリセットできません。)
(5)自動リセット状態及び二線式の回路の場合
自動リセット状態で二線式の回路の場合, サーマルリレーが自動リセットすると
モータが自動的に再起動しますのでご注意ください。
(6)手動リセットから自動リセットの切換え方法【図2】
手動リセットから自動リセットに切換える場合は, 下記の手順で行ってください。
また自動リセット状態から手動リセット状態にする場合は逆の手順で行ってください。
①正面カバーを開ける。
②ドライバー等でリセット棒を押しながら, 時計周りに90度回転。
③リセット棒が押し込まれた状態で保持されます。
④正面カバーを再度閉める。